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富士山が世界遺産に選ばれたわけ

絵画に見る富士山 / 富士山が西洋に与えた影響

ゴッホもマネもセザンヌも!“フジヤマ”に魅了された世界の天才たち。

葛飾北斎『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』 葛飾北斎『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』

浮世絵で描かれた富士山は、海を渡りヨーロッパで当時の画家たちに強いインパクトを与えました。自分の作品にも模写した富士山を加えるなど、東洋のタッチを取り込もうという意欲が見て取れます。

北斎や広重などの浮世絵が海外に輸出されるようになったのは、幕末の開国がきっかけでした。さらに1867年にフランスのパリで開かれた万国博覧会の出品で注目を浴びると、ヨーロッパにおける日本の伝統芸術の一大ムーブメント「ジャポニスム」が起こりました。

ゴッホ、モネ、マネ、ドガ、ルノワール、セザンヌ、ゴーギャン、ロートレックなど印象派を代表する画家たちは、浮世絵に大きな影響を受け、新しい絵画の創作に取り組んでいったのです。ゴッホやモネ、セザンヌなどの作品には、浮世絵の富士山にインスピレーションを得たと思われるものがあり、富士山そのものを描いている作品もあります。ゴッホの「タンギー爺さんの肖像」には、広重の富士山などがはっきりと描かれているのは有名です。

また、「冨嶽三十六景」に強い影響を受けたリヴィエールは、「エッフェル塔三十六景」を版画の作品にしました。音楽家のドビュッシーは、北斎の「神奈川沖浪裏」からインスピレーションを受けて交響詩「海」を作曲したといい、その初版本には、「神奈川沖浪裏」が使われています。

このようにして富士山は、世界から「フジヤマ」と呼ばれるようになり、日本を象徴する山として、人々の心に刻み込まれました。