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信仰

富士山と信仰との関係は、ときに芸術作品が生み出される直接の背景となるほどに根源的なものです。古く奈良時代より日本の象徴として認められていた富士山は、ただ美しい山というだけでなく、神の棲む聖なる地として崇拝され、人々の信仰を集めた山でもあるのです。

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  • 神洲奇観図
    中林竹洞
    天保14(1843)年頃
  • 富士山北口女人登山之図
    歌川芳幾
    万延元(1860)年
  • 神洲奇観図

    神洲奇観図

    中林竹洞 / 天保14(1843)年頃

    水彩画を思わせるみずみずしい筆致が印象的。この作品の根底には、尾張南画の祖と言われる丹羽嘉言が、明和7(1770)年に現地写生をもとに富士を描いた《神洲奇観》があり、描法などその影響がつよい。小品ながら嘉言画を規範にした、竹洞の富士山図の作例として愛すべき佳品である。

    静岡県立美術館

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  • 富士山北口女人登山之図

    富士山北口女人登山之図

    歌川芳幾 / 万延元(1860)年

    「庚申縁年」の富士登山の賑わいを描いたもの。60年に一度の庚申の年、富士開山の伝説により、各登山口の浅間神社では、これを記念する祭礼がおこなわれ、「御縁年令式」を頒布、また各地に建札を掲げ登山を奨励した。この年には多くの女性が入山した。本図は万延元年の時の様子を描いた貴重な資料である。

    静岡県立美術館

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